注!akが忍術学園に通ってます(失笑








「先ぱい、」


少しだけ語尾に、媚びたふうな響きがあったのが許せなかったので

とにかく倉庫などに連れ込むことにした。

肌にも鼻にも馴染んだ、火薬の匂いに、あてられたと思った。

薄暗いのが心地よい。


「せん、ぱい、」


相も変わらず自分を呼ぶのがたいそう可愛らしい。

饒舌がほらみろ、どんどんと足らなくなって、ただの甘えたな子どもになって、そうだもっと、おれだけになればいいのに。

おれ以外の誰かへの、普段の不遜な態度を、おれはたいへんに満足している。

この子どもの、年齢にそぐわない芳香めいた色香や、それを全く自覚しない無防備なまなざしや、

おれに強く掴まれてゆるく震える左手指先、五爪(ねいる、と南蛮かぶれに言うのが、彼には似合いと思う、)の可憐さだとか。

きっとおれだけが、ふかくまで理解していれば良いことであって。



「あかにし先輩、ねえ」


壊れた人形のように、おれの名前ばかり。

薄暗い密室に、下心にまみれた男と、たったのふたり。

置かれた状況にうとい振りをする、可哀想な人形の、背中のねじを回してやらねば。


「なあかめ、わかってんのかなあ。

 おれはたぶん、これからおまえをいいようにすると思うよ」

「はあ」

「はあっておまえ、ね」


気の抜けた炭酸水のような返事に、思わず眉尻がゆるむ。

それを見てか、生意気な後輩は口角をひきあげる。

媚びた色合いは鳴りを潜め、まるで年下の手のかかる幼子に言い含めるように、


「先輩こそ、ご存知とばかり思っておりましたが。

 おれはたぶん、あなたに何をどうされても、

 ちっとも苦ではないのですけれど」


笑って、ただにこりと笑って、右の五指でもっておれの頬をなで上げる。

埃と火薬と、薄暗さのなかにほんの少しの太陽光。

たったそれだけの空間にあって、亀梨和也という少年は発光する。

きれいな子どもなのだ、彼は。

いかがわしいだけのおれは、強引に引き込んだ自分の右手に罪悪感で、そうして彼の右手に贖罪される。


「先輩、何もなさらないんですか?」


かわいらしいですね、おれの暴君は、とおれに口づけた。

たぶんそこまでが、彼の持ちうる精一杯の生意気だった。

背伸びの7センチが、彼の一生懸命を伝えた。

なので、おまえに言われたくないな、と仕返してやる。

先ほどまでの威勢はどこへいったか、

突然に真っ赤になって、それこそ耳から頬から鼻の頭から、夕焼け色に染め上げて、


「あんまり、慣れていません、」


と言い訳するのが、白状しよう、どうしようもなくいとしい。

頬からさっと離れかけた指先が冷たくて、思わず追いかけて、口づける。

元来小難しく考えるのは性に合わない。

思ったままを施したら、どうしようか、彼はますますもって林檎に似て。


「おれを、止めてくれるか、かめ?」

「え?」

「おまえの役目でしょうが」


短い亜麻色を申し訳程度に結ぶ、髪留めを取り払って、流れる髪の感触を思いのたけ楽しんだ。

耳にもまぶたにも口づけを落として、後頭部を引き掴んで、さても今度はうぬぼれやな幼いくちびるに、

二歳分の歳の差を教え込む。

息が上がる。

心臓が駆け出す。

もうわからない。どちらの呼吸で、どちらの唾液で、どちらの熱で、どちらの欲情か。


「とめないの、」


おかしなことを訊いている自覚はあった。仕掛けているのはおれだのに。

それを慮ってか、


「…さきほども和はもうし上げました、

 和はひとつも、苦ではありません、じんせんぱい」


肩を上下させながら、幼子のような口調で、きっぱりと。

いい子だね、と言おうとして、心臓のらへんが震えて声にならなかった。


薄暗い倉庫で、たったのふたり。

変わりない日々にあって、ほんの少しの非日常、

少年を、いちばんに大人に近づけたのが、おれであるという事実に、


おれはただ震えた。











かしこに影響されて書いた忍者(まだ学生)ak
なんかすみません…