「嘶け雷鳴、平伏せ愚民、」
「ああああ」
「轟け我が高名、其は光明となりて世界を貫け!」
「あああああああ」
「なぁにこれ?」
「うああああああああ」
絶望に打ちひしがれる男と、分厚いノートをぱらりとめくる男。
心臓のやらかいところをぎゅっとされて悶絶するオタクと、おもちゃ箱をひっくり返す快感を覚えたイケメン。
中二病を発症して久しい亀梨と、そんなオタク男に興味をもった赤西。
互いに高校生、二年四組、放課後の教室には二人の他には誰もおらず、
夕日が亀梨の、赤を通り越してもはや蒼白な頬を、ぺろりとなめるだけ。
それがとてもきれいだなと思ったことは、赤西はやはり誰にも言わなかった。
オタクと! 〜オタクとイケメン〜
高校一年生の四月の初っ端だ。
クラスの自己紹介で、愛読書はHELLSINGと言った瞬間に、亀梨は友だちを得る機会を失くした。
そのあと、HELLSINGとはいかにすばらしい漫画であるのか台詞の実演も交えて説明したのもまずかった。
中学までは田舎にいて、周りも漫画やらアニメやらには寛容だったが、東京の学校では違ったようで。
異端なものは弾かれる。と、それすら台詞めいて、亀梨は一人ごちた。
一年間、いじめられるというより、オタクだ。あれ、オタクだぞ。と囁かれ、なんとなくいないものと扱われて過ごした。
二年生になってもそれはあまり変わらず、クラス内にこれといった友だちもできないまま、
三冊目に突入したノートにひたすら漫画のような小説のような、何かを書き連ねては満足する日々だ。
シャープペンシルをこつんと机に置く。ふう、と一息ついて、黒々としたノートを閉じる。
ふと窓の外に目をやる、飛ぶ鳥、を吸い込むようにどでかい太陽、の陽射しが燦々と、これだから窓側の席は好きだ。
冬と秋の境界線、今日も今日とて、都会の空は狭くて青くて高かった。
亀梨自身としては、自分はそんなに悪質な(?)部類のオタクではないという自負はあった。
いわゆる美少女なるものに興味はないし、自分の年齢を超えるような、規制付きの商品が欲しいとも思わない。
ただ、好きなのだ。血沸き肉躍るような、二次元上の創作物が。
自分でも書いて描いてみたくて、ノートに綴った。
なんとなくクラスの誰それをモデルに、…ああ赤西という男がとてもとてもかっこよくて、だから主人公に起用してしまったのだ。
本人の与り知らぬところで。
そんなある日。亀梨が美化委員会というなんとも地味な委員会活動をきっちり終えて、教室に戻ってきたら。
冒頭の大事件が勃発してしまったというわけである。
「なぁにこれ、カメナシクン」
「す、すすすすすみませ、ごめんなさ、悪気はないんです、」
赤西は、まずは勝手に読んだことを詫びるつもりでいた。
好奇心に負けてしまったことを、亀梨に謝ろうと思った。それくらいには赤西自身は、誤解されやすい見た目に反し真面目な人間だった。
だが、目に入った一文のために、それを断念した。
「主人公の設定…jin・A・journee、ジン・エー・ジョルネってなにこれ」
「ううう」
「特性:水、必殺技はアクアミストラム、暗い過去を持つ、吸血鬼の血をひいている、
決め台詞は轟け雷鳴、…」
「もうやめてえええええ」
亀梨が耳を塞いで悶絶した。
赤西は、もし自分が逆の立場なら(こういう手合いの代物を書いたことはないから分からないが)きっと同じような状態になるだろうとぼんやり思った。
亀梨の机の上に腰かけて、床にはいつくばる亀梨の、手入れのなってない髪やらよれた制服やらを見降ろして、赤西はなんとなく微笑ましくなる。
「これ、おれのこと?」
「あああだってだってだって赤西君が一番かっこいいんだもんこの学校でええええ」
「さらっとすごいことゆってくれちゃうね」
「著作権とか肖像権とかマジすみませんでしたああああ」
「や、そんなんべつにいーけどさぁ、」
亀梨はほとんどべそをかいていた。
さすがに遊びすぎたかと思い、赤西はよいしょとかがみこんで、ぐしゃぐしゃの顔を覗く。
「おれ、これ好き。続き書いたら読ませてよ」
「………は?」
「あのさ、おれも漫喫でHELLSING読んだことあるよ。けっこ好きだった。
でもそゆのって、普通声高には言わないじゃん。高校生にもなってああゆう漫画大好きですって。
けど亀梨クンはちゃんと主張してて、それすごいなーて思ったわけ。」
「え、え、はぁ」
混乱の上、疑問符が飛び交う亀梨の頭に、ぽんぽんと手をおいて、赤西は付け加えた。
「だから、亀梨クンのこともけっこ好き」
亀梨が呆気にとられているうちに、赤西は颯爽とノートを押しつけ、
教室から立ち去った。
これはいったいなんだったのだろうと、亀梨はしばらく立ち上がれないままだった。
衝撃の事件の翌日、まるで家族に接するような親しさで、赤西は亀梨の名を呼んだ。
そりゃあもうギャルから秀才君まで皆がみんな振り向くような衝撃だ。
「ねー亀梨クン!きょー、いっしょにかえろ」
クラスメイトたちは、あまりの驚きに身じろぎひとつままならずにいる。
その中には勿論亀梨自身も含まれていたわけで。
「きいてんのー、亀梨ク、」
「ちょ、じん、なんで亀梨なんかにかまうの?」
いち早く立ち直った、赤西の取り巻き一号(巻き髪が中世の貴族のようだと亀梨はひそかに思っている)が、
長い爪を赤西の腕に食い込ませた。
二号、三号が続いて、四号が「今日はウチらとカラオケいくっつったじゃん!」と息巻く。
「あ、そっか、…じゃ亀梨クンもいかね?」
「はぁ!?なにゆってんの!?」
取り巻き5号が素っ頓狂な声を上げ、
そこでようやく硬化の解けた、赤西の悪友たちも、口ぐちに取り巻きゴレンジャーを擁護する。
渦中の亀梨としては、どうぞご自由に、JAMprojectもSoundHorizonも歌えないような、一般人イマドキカラオケには全く興味がないので、
おれに構わずいってらっしゃってくださいという気分だが、
赤西は頑として譲らず、
「じゃーおれ今日はパスする!ほんとごめんなー」
じゃあねっ、と亀梨の手首を掴んで、なんとまだ二時限目が終わったばかりというのに、赤西は玄関を目指しだした。
別段、糞の付く真面目人間とか皆勤賞狙いとかそんなこともないので、連れ去られるままになっていたが、
ずんずんと大股で進まれるごと、亀梨は赤西という人間がわからなくなった。
「おれやっぱ、亀梨クンのそゆとこ好きかも。」
「え、は、あのー、え?」
「ケータイとか教科書とかカバンとか、忘れてきちゃっても、そのノートだけはちゃあんと握りしめてるとこ」
「あ、あ、ほんとだ」
赤西は盛大に吹き出して、好きかも、好きかも、と繰り返した。
亀梨としては、あんまり人と喋らないものだから錆つきかけていた口を懸命に動かし、反抗やら疑問やらぶつけてみようとしたのだが。
赤西が屈託なく笑うので、そんな気も失せた。
とうとう玄関だ。
一メートル先には校則違反な自由、一メートル後ろには永遠に続きそうな拘束、
赤西の答えなんて二時間前に決まっていて、亀梨だって広がる青空を見たら、もうだめだ。
外に出たいのだ。
「うっわ、空めっちゃ青!」
「ああ、おれこういうのだめ、無駄に泣きたくなっちゃう」
「ふうん?」
「そんですげー、なんか想像?妄想?しちゃって、なんか書きたくなる」
亀梨が興奮すると、ぶは、と赤西はまた笑う。
ようやく、握りしめた亀梨の細い手首を解放して、それで大笑いだ。
ばかにされたかと亀梨が口をつぐむと、ちがうちがう、と赤西は慌てた。
「あのさ。今日、おれ、カラオケいかなくってよかったって思ってさ」
「は、あ」
「空だって、一緒に見る人が亀梨クンじゃなきゃ、こんなに青くないのかもって思ってさ」
「へ、」
「うちおいでよ。服貸すから。そんで、どっか遊びいこ」
赤西がさも当然みたいにして、亀梨を誘う。
東京の高校、人混みの匂いのする風、秋とも冬ともつかない季節。太陽はまだ粘り強く暖かい。
カラオケは徒歩700メートル、コンビニは200メートル、参考書を買う指定の本屋は2キロ先というなんともはや、な状況。
そこからゆったりと、二人は赤西の家へ行くため駅を目指した。
赤西仁の家、電車で20分、そのあと徒歩15分。
電車で20分、赤西は亀梨のノートに果てしない興味を抱き、覗き見ようと苦心し、
亀梨は必死にそれを防ごうと苦心し、不毛な攻防であっという間に最寄駅だった。
徒歩15分、ここのコンビニよく使う、え、おれも、ここの飯屋うまいよ、あ、知ってる、
なんとなく行動範囲の近しさを感じ始めた。
「あーここ、おれんち。」
「へ、うそ。おれんち、この隣のマンションなんだけど」
亀梨和也の家(父親の会社の社宅である)、電車で20分、そのあと徒歩16分。
亀梨は驚いた。赤西だって素直に驚いた。
二人の家はたいへんに近所だった。
「なんで知らなかったんだろ?小学校とか中学、どこいってたの?」
「えっと、中学まで石川の田舎だったの」
「マぁジ?じゃ今度遊びいかしてよ。」
「うえええええ?うちに?それとも石川まで?」
そんなこんな、やりとりをしながら、亀梨が上がり込んだ赤西の部屋は、想像よりもずっと小奇麗だった。
うちよりずっと綺麗だ、漫画本で雪崩起こしそうになってるもんうち、と亀梨が部屋を見渡せば、
部屋に上げたの、家族以外じゃ亀梨がはじめてかも、と女子高生みたいなことを考えながら、赤西はらしくなく赤面した。
「赤西くん、漫画とか持ってないんだねえ」
「弟がでけー本棚持ってるから、そっちに収納してるだけ。ふつーにワンピースとか、スラムダンクとか読むし」
「んー、それで収まりきっちゃうとこがすげー、うちなんかマジで本屋開けちゃうくらいあるよ」
亀梨は相変わらず、片手でノートをぐぐぐと握りしめ(少しでも気を抜くと赤西にパラパラとやられると思っているらしかった)、
もう片手で、特に手入れのなってない髪をぐしゃりとした。
赤西はなんだか自分の心臓までぐしゃりとやられた気がして、赤面がおさまらない自分に少し戸惑う。
「何読むの?ヘルシングのほか」
「いっぱいよむよ!HELLSHINGの作者さんねえ、新作出したし!
あとは、あとは、赤西くんなら絶対BLACKLAGOONとかも好きだと思うんだ、今度貸すから、あと、あと、」
得意分野となると文字通り水を得た魚、亀梨は目を輝かせて語り出す。
うっわ亀梨きっも、とかなんとか、こういう状態の彼を見ると普通の高校二年生ならそう思うのだろうが、
赤西はそうではなかった。
むしろ、きらきらと何かに熱中できる亀梨が好ましく、羨ましく、可愛かった。
勉強もそこそこ、運動もそこそこ、部活だって遊びだって人づきあいだってそこそこに卒なくこなす赤西は、
こんなふうに何かを語れる熱さみたいなものを、とても羨望していた。
「てか、なんっかさ。亀梨クンがウチにいるっての、すげえいい。いいな。」
「え、あー…?」
「ふふ」
ごそごそ衣類の収まるクローゼットをあさると、適当に見つくろった服を亀梨に投げる。
それから、ヘアワックスと、友人に貰ったが小さくて入らない靴と、アクセサリーの類をひとつかみ。
赤西はそれらをポンポンと亀梨に投げつけるが、いかんせん亀梨は片手は大事な大事なノートでふさがっているので、左手しか機能せず、
わ、わ、と間抜けな格好でいくつも小物を取り落とした。
「これでたぶん、おまわりさんに高校生?みたいな質問もされないから。
職質かけられたら適当にショップ店員ですけどて答えとけばいいから」
「う、あの、赤西くん、あのさ」
「さ、着替えちゃって。どこ遊びいこっか、ね」
「…赤西くん。おれ、おれ、ワックス、とか。ネックレス?とかも、つけたことないからやりかたわかんない」
亀梨は恥ずかしくて縮こまったが、赤西は衣類に埋もれながらそんなことを言う亀梨がなんともツボで、
気がつけば嬉々として、じゃあおれがぜーんぶやったげるし、などと嘯いていた。
絶対に中を見ないからという約束で、亀梨のノートは赤西の机に置かれていた。
ノートを持ったままでは着替えるのに不便だったからだ。
亀梨はあのぎっしりと妄想の詰まったアレをまた見られたら死んでしまうと不安だったが、それは杞憂に終わる。
先ほどまであんなに執心していたノートには目もくれず、赤西は亀梨を飾り立てることにかかりっきりになっていたのだ。
「やっべ、亀梨クンちょうかわいいんですけど」
赤西は口笛を器用に吹くと、素材の良さと自分の頑張りに素直に感動した。
寝癖でぼさぼさだった髪は、ワックスで押えて毛束を少し持ち上げただけで、見違えるほどになった。
決め過ぎない程度に、インナーとジャケットとジーンズを合わせて(自分で着させたら亀梨は腰の上の上の上までジーンズを上げたので、ずりずりと下げてやった)、チェーンを幾つか、
マジックテープみたいな財布だったから、使わなくなったウォレットをプレゼントした。
そして赤西は、最後、中学生でも履かないような真っ白な学校指定ソックスを、脱がせてやろうとして、
…とても、とても大変なことに気づいてしまった。
されるがまま片足を上げてこちらを見つめた亀梨に、
いたく興奮した。
催した。
ずきゅんときてしまったのだ。
亀梨としてもあまりに色々されすぎて、脳みそが飽和状態、靴下を同性に脱がされるという状況に全く違和感を持たずにいたのもまずかった。
呆けたように、無防備に赤西に片足を差しだしていた。
露わになる亀梨の白い足首、無骨な男の足のはずなのに、白すぎた、眩しすぎて赤西は、思わず目を逸らす。
百メートルを全力疾走したって、キツめのAVを見たって、どんなに好みの年上と寝たって、心臓はこんなにガンガン鳴らない。
どうしよう。これはなんなんだ。
赤西は今の今までたったの一瞬も、亀梨を、同性を、そのような対象として好ましく思っているのではないと信じていた。
もちろん好意はあったが、赤西の性愛の対象はいつだって胸の大きな女性だった。
焦り、困って、自分が嫌になって、でも、何度見てもやっぱり亀梨の足首は真っ白なのだ。
赤西が震える手で、青息吐息、ようよう両足を脱がせたその時、
亀梨はこんなふうに色々してくれて親切な人だなと胸を熱くしていた。
「赤西くん」
「はっ、ハイ!?」
赤西の若い想像力が翼を得て、彼の頭の中で、亀梨がインナーまで脱がされようとしたときに、
亀梨も意を決して、親切な同級生に声をかけた。
「おれ、あらためて、赤西くんしか、いないって思った」
「・・・え?え何?何が、」
「赤西くんに、おねがいしたいんだ、きいてくれる?」
「へ、え、う、うん、おれ、亀梨クンのゆうことなら、全然、なんだって…」
赤西の舞い上がった妄想が、心臓の鼓動をさらに早める。
整えられた前髪の間から、亀梨は嬉しくなって熱く赤西を見つめ、
「ほんと!?じゃあお願い、
新作のモデルになって!!」
「わかった!!…………え?」
突っ走ってぽきりと折れた妄想と、そんなことを考えてしまった自己嫌悪にずるずると床に突っ伏した赤西に、
亀梨はなおも新作の構想を語り続けていた。
街に出た。
亀梨は、赤西の言う「遊ぶ」とはどんなことかさっぱり分からないままついてきたが、
一時間もするといよいよ疲れてしまった。
街の人々に声をかけられまくる赤西は、そのほとんどと友人関係にあり、一緒にいる亀梨に対しても、好奇の目を向けられた。
「誰この子?今まで連れてた取り巻きよりいーじゃん?」
「あ、う、」
「あーこれ、おんなじクラスの亀梨クン。けっこいいでしょ?あ、これ、ここの店長さんね、って亀梨クンきいてる?」
「あ、えと、あの」
「あと、あっちがおれのダチで、東高のやつ、隣にいんのが彼女のリンちゃんで、あーあれは、うちのガッコのOBだったりする、」
「は、はあ」
平日の昼間だというのに、どうしてそんなに知り合いと会うのだろう、真面目に働いたり学校に行かないのか、
赤西に聞いてみたかったが、初対面の人々をやりすごすので亀梨は精いっぱいだ。
それから、親しいらしい店員さんのいるお店を三つ訊ねて、いくつかアクセサリーや衣類を購入して、赤西は満足したようだった。
赤西はそのショップの袋の中に、亀梨のノート(やはり後生大事に握りしめていた)をしまうように言い、亀梨はやはり親切な人だなと感心した。
「あのう、赤西くん。」
「なーに、亀梨クン」
赤西が買ってくれたコーヒーに口をつけながら、亀梨は切り出した。
歩きながらでは器用に飲めないようで、両手で危なげにカップを持つ亀梨が可愛らしいと密かに思いながら、赤西は応える。
「疲れちゃったから、どこか静かな、休めるとこに行きたい」
その申し出に、赤西は思わず噎せた。
確か年上の女に先日全く同じ台詞を言われたことを思い出し、
まっさきにホテルが思い浮かぶ自分に泣きたくなったが、あくまで冷静を装い公園へと歩を進めた。
「ごめんな、買い物に付き合わせちゃった」
「や、でも見聞を広めることができてよかった!」
「なんだそれ」
赤西が思わず笑うと、亀梨もそれに嬉しくなって、目を細めて笑う。
「オタクってさ。…や、自分でその自覚くらいあるよ。
ん、オタクて、視野が狭いんだよ。自分の好きなことっきゃ見ないから。
だけどそれじゃ、満足なもの書けないって気づいたの。
でも一人じゃきっと、ああいうお店とか、行けなかっただろうし。
だからありがと、赤西くん」
ノートの入った袋を抱きしめ、コーヒーを片手で庇いながら、亀梨は心からの礼を述べた。
傾げられた小首にぐらつきながらも、
「前もゆったけどさ。おれのこと主人公にしていいからさ。
だから、それ、読ませて。
そしたら、もっといろいろ、視野広げたげるから」
赤西は少し上から目線かなと自負しつつ、正直に伝えた。
亀梨は、えーとか、うーとか、恥ずかしいけど、とかなんとか言いながらも、
じゃあ批評をお願いしますと、また頭を下げ、
赤西は思わずそれに抱きついてしまった。
亀梨の着ていたジャケットに、コーヒーがこぼれたと大騒ぎして、
着いた公園の水道でじゃぶじゃぶ洗い、また二人で笑いあって、
その日はお開きとなった。
(亀梨は創作意欲に火が着き、ライトノベルの選考会に間に合わせるために、主人公のモデルである赤西の家へその後何度も押しかけた)
(よく洗濯しないと落ちないかも、クリーニングに出すよと借りた服を持ち帰ろうとした亀梨を制し、赤西は上から下までそのまま受け取った)
(コーヒーの染みと一緒に、亀梨の着ていた痕跡まで洗い流しそうなので、まだ洗濯をしない、そんな自分がちょっと気持ち悪い赤西は、罪悪感からか亀梨の小説の推敲を力いっぱい手伝うことにした)
よつばと読んで衝動にかられてやった
後悔はしていない
続く続く詐欺になってしまうほどに前回のも続き書けていないけれど、これもシリーズ化できたら嬉しいです
ここまで読んでくださってありがとうございました!