お察しのとおり、四回目とあいなりました。

何が悲しくて、おれはこいつなんかと。

そしてなにがどうして、おれの心臓はこんなにも。

どうしてどうして、


、おれから、
















よんかいめ















始業のベルが子守唄なら、六限の終わりを告げるベルは目覚まし時計だ。


ホームルームもろくろく参加せず、何はともあれ、おれとじんは毎日街へ繰り出す。

制服を着崩すやり方は兄貴から教わった、

教師やおまわり連中に見つかりづらい遊び場は先輩から教わった、

万が一のときの身の処し方は友達から教わった、

遊び方は自分たちで考えた。

ゲーセンばっかじゃ金ももたない、カラオケばっかじゃ体力持て余すし、

要するにうまく立ち回ることが大事なのだ。

おれとじんは、その点でいくと、無敵だと思われる。

多少の意見のずれはあっても、楽しむ、というその一点においておれたちは天才的だった。

親友とバカの限りを尽くして遊ぶ、毎日が楽しくて、楽しくて。

だからおれは、学校が終わって次の日にまた学校へいくまでのその時間が、好きで好きで仕方ないのだ。




ところが。

ある日バカの片割れが、

今まで生きてきた中で(というかおれが知りうる中で)最もバカな発言をした。

じんの部屋で、マリオカートに夢中になっていたそのとき(64を愛する彼は、プレステもWiiも一切認めない派で、彼の部屋には64とDSしかない)、

奴はおれに、ノコノコとともに爆弾発言を投げつけてきた。



「かめともっかいちゅうしたい、マジで!」



事故でしかなかった今までのアレたち。

おれも事故と思えばこそ、童貞でありサードキスまでを同じ男と、というこの屈辱的状況に

なんとか耐えているというのに。

画面では見事、じんクッパが投げつけたノコノコにすっ転んでいたおれのマリオ。

まったく、なんかいろいろふざけんな。



「なぁかめ、だめー??」

「・・・てめーおれの人生ごと事故にする気か」

「はぁー?ってかいいじゃん、もー三回も四回も一緒でしょ、ねーねーねー」

「何をどうしたらそぉゆう結論に行き着くか」



じんは、ちょっとかわいそうな部類のバカだから、

男と、とか、親友と、とかいう禁忌的なシチュエーションに燃えているのかもしれない。

今日の昼にも、トイレで同じ発言をしてふざけてたし。

脱チェリー男の余裕か。

腹が立ってなんかぶん殴ってやりたい。

しかしじんはおれのそんなこんなを思い遣りもせず、

まだバカ発言を繰り返す。



「ねー、しよーよ、そうしよう」

「いい加減にしろこんのバカ」

「いいじゃん減るもんじゃねえし」

「ほんと殴るぞこらぁ」

「・・・でもかめはさ、言わないんだね」

「ああ?」


「気持ち悪いとか。ホモじゃねえのとか。さわるなとか。」


「・・・」

「かめはほんと、やさしい」



おれはじんに言われたことをただ、受け止めるだけ、に、とても時間がかかった。

だって、言うわけ無くない?

いくらチュウだなんだが、こいつのただの冗談であっても。

それ言っちゃったら、それはだめじゃない?

気持ち悪いとかおまえ、それは傷つくんじゃね?

だって親友だ。幼なじみだ。おまえはおれの、大事な、

・・・だいじな


傷つけたくない、人だ。




「ま、気長にいきますわー」



クラスの女子どもにこぞって携帯番号を聞かれた、きれいな顔だちで、

じんはにっこり、優しく笑った。

どうしてだか、ざあっと鳥肌が立った。

背中をかけあがるそれが、大好きなアーティストの曲を聴いたときとか、感動する映画に出会ったときとかのそれと、

同じものだったことに、驚く。

気長にって、どういう?何を気長にいくの?

ポーズ状態だったゲーム画面がもとに戻って、おれの思考回路はもとに戻らない。



「かめー?続きやんねーのー」



わからない。なんだか、なんだか、何もかもがわからない。

コントローラを握るその手がすごく好き。

って、好きって何だよ、それって親友にもつべき感情か?

横顔がすごくかっこいい。

かっこいいってアホか、今までこいつの横顔なんか腐るほど見てきてる。

なんだこれ、どうしたんだこれ、



「かめ?どしたん?かめかめかめかめーかめってば、・・・か、」









画面の中のクッパが逆走している。

















四回目は、

混乱したおれが

わけもわからず


やつにくちびるをぶつけてた。




















マリカしたことねえええええええ実は
久々の更新なのに短くてすみません